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自己破産

自己破産とは

自己破産とは,簡単に言えば借金をなくす制度のことです。
とてもじゃないけれど、借金を全部返せるような状況にない人の借金をなくしてしまい,その人に人生をもう一度始めさせようという制度です。
正確には、破産、免責手続を経て、免責許可決定が確定することで法律上の支払義務がなくなります。

破産をした場合のデメリット

良く聞かれる質問を次にまとめました。
基本的にこんなもんじゃないでしょうか。


■ 財産は全くなくなる?
  →破産の制度上、財産は処分されます。
   ただし、一定の財産については、処分されません。

■ 戸籍に傷が付く?
  →つきません。戸籍は無関係です。

■ 選挙権を失う?
  →選挙権あります。

■ 新聞にのる? 
  →新聞というか,官報という刊行物に載ります。
    ただし,普通の人は見ません。

■ 職場にばれる? 
  →官報をチェックしているような会社ならばれます。
   普通の会社は破産をしたことだけではばれません。
   
■ 家族にばれる?
  →基本的に破産手続をしていることは家族にも話すべきだと思います。
   ただ,やむを得ない事情により家族に内緒で進めることもあります。
   ばれないように努力することは可能ですが,保証はできません。
   
■ 保証人に請求が行く?
  →行きます。あなたの債務と保証人の債務とはあくまで別です。
   あなたが破産しても、保証人の責任は残ります。
   保証人は保証人で破産手続をとるなど対応が必要になります。

■ 引っ越しができない?
  →ほとんどの場合にはできます。
   
■ もう借金は無理?
  →原則無理でしょう。
   金融業者のブラックリストに載りますので当分借りられません。
   ローンで家を買ったりすることも数年間はできません。
   借金をしない生活を心がけましょう。

■ 仕事は続けられない?
  → 資格がいる一定の仕事は,破産手続開始決定により就けなくなります。保険外交員、警備員、など法律で決められている職業です。
ただし,免責許可決定確定により仕事に再度就けるようになります。
   破産決定から免責許可決定確定までの間に職業制限があるのみです。
   パートなど大抵の職業は、破産手続中も続けられます

■ 破産しても、業者の請求は続くのでは?
  → 続ける業者は、違法業者です。
   まともな業者は、弁護士の受任通知後は請求してきません。

破産をしても一定の財産は持ち続けることができます

裁判所によっても若干運用が異なりますが、基本的に
21万円以下の預貯金
20万円以下の保険解約返戻金
20万円以下の退職金請求権
20万円以下の価値の自動車
20万円以下の動産(中古パソコン等)
については、そのまま持っていられるという処理がされていると思います。

ただし、これらの財産がいくつか集まって数十万円になっているような場合には、一定額を処分するという運用をしている裁判所もあります。
また、理由なく数十万円の現金を所持している場合には、調査されることもあります。21万円を超える現金を所持している場合には、後で述べる管財手続にまわされ、管財費用が必要となる場合も多いと思われます。

財産関係が微妙な場合には、専門家の意見を聞いた方がいいと思います。

ギャンブルや浪費の借金

免責許可決定というのは、破産した人の借金の支払義務をなくしてもよい、という判断です。

次のような免責不許可事由がある場合、裁判所は、免責を許可しないことができてしまいます。

■ 免責不許可事由

  ギャンブル,浪費
  財産があるのに隠す
  借金が少ないのに多く見せる
  自営業者などで帳簿を隠す,嘘の記載をする
  債権者の名簿(裁判所に出す)に嘘を書く
  返せない状態なのに,嘘を言って借金を増やした
  返せない状態なのに,一部の債権者だけに特別に返した
  7年以内に免責を得たことがある(2度目ということ)
  破産法が定める義務に反した。



ただし、免責不許可事由があっても、その理由や規模によって、裁判官の裁量で免責することができます。
このような免責不許可事由がある場合には、専門家に相談した方が無難だと思います。

例えば,昔,ギャンブルで多額の借金を負ってしまった事情は認められるものの,借金の原因には収入が減って生活費が足りなかったという事情も認められ,その後,借金を返すために休日もバイトしていたようなケースでは裁量免責が認められ、借金がなくなったケースもあります。

破産の対象にならないもの

免責の許可を受けても対象外の借金・債務もあります。

租税、罰金、故意または重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく請求権、養育費・婚姻費用
などです。
普通の業者から借り入れた借金については、免責され支払わなくてもよくなります。

ただ、申立の際に、債権者一覧表に記載しなかった債務については、免責されない可能性があります。



弁護士費用について

人によって異なります。

■個人の方で、非事業者の場合

まず、実費2〜3万円必要になります。
正確な費用は裁判所や債権者数によって変わってきます。
(一定の事情があり、管財事件になる場合には、さらに20万円程度の実費が必要になる場合があります。)

弁護士に依頼する場合には、さらに弁護士費用がかかります。

事件を依頼する時に必要な費用として着手金21万円
免責許可決定を受けることができた場合、報酬10万5000円
(ただし、管財手続の場合、一部免責不許可事由がある場合、債権者が18社以上の場合は21万円)

夫婦や家族で一緒にご依頼された場合には、若干の減額をできる場合もあります。


■個人の方で、事業者の場合

事業規模や管轄裁判所によって異なります。
管財手続となる場合がありますので、その場合、裁判所に納める実費として、22〜23万程度が必要になることがあります。

弁護士費用は、事業規模によっても異なりますが、自宅事務所で、従業員もいないようなケースでは、非事業者の方と同じ金額で対応できる場合もあります。具体的な費用については、お問い合わせ下さい。

■法人の場合

事業規模、債権者数、資産状況等によって異なりますので、お問い合わせ下さい。


■分割払いについて

個人の方の場合には、着手金の分割に応じています。実費を含めて5回分割まで応じています。
ただし、受任通知を発送して、債権者からの請求を止めるのは、初回の入金確認後となります。

これでも費用を払えない場合には、収入や生活状況によっては、法律扶助制度による立替払い制度を利用することが考えられます。ただし、弁護士による受任通知の発送までは相当の期間がかかります。

くれぐれも、弁護士費用の支払のために貸金業者から借入をするなどということはしないで下さい。


自己破産手続の流れ

次の手続は、同時廃止手続という、処分されるだけの財産がない個人の場合の手続の場合です。


1 弁護士に相談
   ↓

2 弁護士に依頼
   ↓

3 弁護士が受任通知を業者に発送
      →これにより、業者からの直接の請求は止みます。
   ↓

4 破産に必要な資料を集めたり、書類を作成する
   ↓

5 破産手続開始・免責申立
   ↓

(6 破産に関する裁判官面接
       →裁判所によって省略されることもあります。
   ↓

7 破産決定
  (借金は払えないという判断)
      →免責に関する意見申述期間
   ↓

8 免責に関する裁判官面接
       →裁判所によって省略されることもあります。
   ↓

9 免責許可決定
  (借金を払わなくてよいという判断)
   ↓

10 免責許可決定確定
  (職業制限等も解除される)


弁護士に依頼した場合、裁判所に面接に行くのは0〜2回ということになります(管轄裁判所や事案によって異なります)。

免責決定確定までの期間は、事案によって異なります。
依頼を受けてから、破産申立までは、1〜3か月程度、
申立から免責決定確定までは、2か月〜7か月程度が一般的です。


2度目の破産?

一度破産・免責を受けてから、7年以内の場合、免責不許可事由にあたります。
申し立てても免責が出ない可能性が高いです。
やむを得ない事情があれば、免責されるケースもありますが、1度目からの期間など個別事情によって変わります。
破産はやるにしても1度きりという心構えでいるべきでしょう。


管財手続 〜事業者、一定の資産がある方〜

今までに書いてきた破産手続は、同時廃止手続といって簡単な手続でした。

しかし、個人の破産でも、この簡単な手続が使えないケースがあります。
そのようなケースでは、管財手続がとられることがあります。
ただ、あくまで裁判所によって違うので、詳しくは専門家に確認して下さい。


管財手続だと何が違うのかというと、費用と時間がかかります。

管財手続の場合には、裁判所から管財人が選ばれ、破産者の財産を処分したり、色々調査したり、処分したお金を債権者に配当したりします。

この管財人のための費用を裁判所に納めなければいけないのです。
裁判所によっても違いますが、20万程度必要になることが多いです。

また、手続中、郵便物が全て管財人の所に転送されます。管財人が郵便物を調べて隠し財産がないかチェックをします。


どういう場合に小規模管財手続になるのかというと、

処分するだけの財産がある場合
免責不許可事由があって調査が必要だと思われる場合
事業者の方で財産調査が必要だと思われる場合
などですね。

ここでいう財産とは、今までに書いてきた20万円を超える保険解約金や、オーバーローンになっていない不動産などのことです。
一定額以下の財産は、処分するだけの財産とはされません。


このような手続の場合には、費用などの面で簡単な手続でいけない可能性があるということを知っておきましょう。